【7月8日市況】電気銅は2260円に改定も、足元計算値は2250円。なぜ昨日「3万円の大幅引き上げ」が行われたのか?そのカラクリを解説
昨日7月7日(火)、国内電気銅建値は前回(2,230円)から3万円引き上げられ、2,260円(226万円/t)へと改定されました。
しかし、本日(7/8)現在の国内電気銅計算値は「2,250円」に軟化しています。「なぜ足元が2,250円なのに、昨日は2,260円まで引き上げられたのか理解できない」という実務者の不満が募る相場展開。この疑問の背景にある、為替決定のタイムラグと計算のカラクリを詳しく解説します。
💡 なぜ昨日「2,260円」に上がったのか?その理由
国内電気銅の建値改定(7日発表分)は、「前日(6日)のLME銅価格」と「当日(7日午前)の東京為替TTS」を掛け合わせて算出されます。
・6日のLME銅セツルメントは13,310.0ドルと底堅さを維持していました。
・そこへ昨日7日午前の東京為替TTSが、前営業日の162.58円から56銭の大幅円安となる163.14円まで急進。この163円台に突入した「超円安TTS」が掛け合わされた結果、計算上の理論値は2,258円前後(切り上げて2,260円)に達し、機械的に3万円の引き上げが断行されました。
しかし、昨日引けた最新のLME相場(7日現地実績)では、為替引値が162.09〜162.12円とやや円高に戻したことで、足元の実質計算値は「2,250円」に押し下げられています。このように「昨日の改定直後に市場が緩んだ」ために、割高感が際立つ不条理な価格差が生まれてしまいました。
主要メタルの相場解説(7月7日現地実績)
1. 銅相場(LME銅はほぼ横ばい、13,300ドル台維持)
- LME銅: 7日現物のセツルメント(太線枠内)は、前営業日(6日)の13,310.0ドルからわずか1.0ドル安の13,309.0ドルと、ほぼ横ばい。終値は13,365.50ドルと底堅さを見せています。一方で在庫は2,375トン減少の312,575トンと引き締まりが続いています。
- COMEX銅: 7月物の当限セツルメントはポンド当たり6.1780ドルから6.1715ドル(トン換算で約13,605.81ドル)へ微減。在庫は671,399トンに達しています。
- 上海(SHFE)銅: 7月物セツルメントは102,980元(前日103,110元)へ小幅調整となっています。
2. 亜鉛・鉛相場(亜鉛が微軟調、鉛は続落)
- LME亜鉛: セツルメントは前日比39.0ドル安の3,560.0ドル。ただし在庫は2,075トンの大幅減少(116,350トン)を記録し、下値を下支えしています。
- LME鉛: セツルメントは前日比4.5ドル安の1,848.0ドル。在庫は200トン減少(292,075トン)となりました。
3. アルミ・ニッケル相場
- LMEアルミ: セツルメントは前日比13.0ドル高の3,118.0ドルと底堅い動き。在庫は3,125トンの大幅減少(292,425トン)です。
- LMEニッケル: セツルメントは前日比85.0ドル高の16,150.0ドルと小幅反発。在庫は274,620トンで横ばいです。
主要指標・在庫一覧(7月7日現地実績)
※データ参照元:主要外電モーニングコール(2026年7月8日付)
| メタル | LMEセツルメント | LME円換算値 | 現地在庫 (t) | 在庫増減 (t) | 上海(SHFE) 7月物 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銅 | 13,309.00 ドル | 2,171,230 円 | 312,575 t | -2,375 | 102,980 元 |
| 亜鉛 | 3,560.00 ドル | 580,778 円 | 116,350 t | -2,075 | 24,665 元 |
| 鉛 | 1,848.00 ドル | 301,646 円 | 292,075 t | -200 | 15,835 元 |
| アルミ | 3,118.00 ドル | 508,834 円 | 292,425 t | -3,125 | 22,890 元 |
| ニッケル | 16,150.00 ドル | 2,636,342 円 | 274,620 t | 0 | 126,230 元 |
| 錫 | 52,850.00 ドル | 8,630,106 円 | 8,215 t | -110 | 410,400 元 |
貴金属・為替・原油の動向
貴金属市場(プラチナ・パラジウム高騰)
- 白金(プラチナ): ジョンソン・マッセイ社のプラチナ建値は前日からさらに大幅上昇し、1,662ドル(前日比26ドル高)へ急伸。
- パラジウム: 同社建値も前日比8ドル高の1,294ドルと、貴金属市場はショートカバーが活発です。
- 金(Gold): ロンドン引値現物は4,149.30ドル/オンスと、4,100ドル台中盤を推移。
為替・マクロ外部環境
- 為替: 昨日7日の東京TTSは163.14円。これが昨日の建値引き上げ改定の主因となりました。一方、引けにかけてのニューヨーク為替引値は162.09〜162.12円とやや円高に引き戻されています。
- 株式・原油: NYダウ平均株価は130.76ドル安の52,925.15ドルと反落。WTI原油先物は1.89ドル高の1バレル=70.44ドルと、久しぶりに70ドルの大台に乗せて引けました。
総括と今後の防衛スタンス:
足元の実質計算値(2,500円近く、LME円換算値:217.1万円)に対し、現在の電気銅建値は「2,260円(226万円)」に設定されているため、実質1万円ほど割高な価格設定(メーカー側の上乗せ幅強気)となっています。LMEの小幅な横ばいに対し、為替のTTS決定タイミング(163.14円)だけが一人歩きして決まった今回の3万円引き上げは、実務上の買入においては「見せかけの高値」にすぎません。本日の改定は無いと予想されますが、仕入れ段階では割高な建値を警戒し、引き締まった防衛的な姿勢を貫くべき局面です。
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