【週間まとめ】163円台突入の「超円安」から一転して「介入なき急反落」へ。激しさを増す為替と海外相場の綱引き(6/29〜7/3)
6月期末から7月期初へ移行した先週(6月29日〜7月3日)の非鉄金属市場は、外国為替市場が歴史的な局面を迎えました。週前半に1ドル=163円台後半まで暴走した超円安は、政府・日銀による実質的な介入報道がないまま、週末にかけてポジション調整などから自律的に162円台前半まで急反発(円高方向へ)。この急激な為替のアップダウンが、国内価格の改定動向を大きく振り回す激動の1週間となりました。
週末金曜日に電気銅建値は一時2,230円まで引き下げられたものの、足元の現地LME銅が13,298.5ドルまでショートカバーで反発したため、最新の計算値は2,240円まで押し戻されて週内の取引を終えています。
先週の相場実績一覧(6月29日〜7月3日)
※データ参照元:image_6fa5ca.png および各営業日の外電実績
| 日付 | 国内電気銅建値 | ドル為替 (TTS) | 為替前日比 (円) | LME銅 ($) | LME前日比 ($) |
|---|---|---|---|---|---|
| 6月29日(月) | 2,240 円/kg | 162.76 円 | -0.14 | 13,302.50 | +15.5 |
| 6月30日(火) | 2,240 円/kg | 163.39 円 | +0.63 | 13,341.00 | +38.5 |
| 7月1日(水) | 2,270 円/kg | 163.73 円 | +0.34 | 13,170.00 | -171.0 |
| 7月2日(木) | 2,270 円/kg | 163.65 円 | -0.08 | 13,202.00 | +32.0 |
| 7月3日(金) | 2,230 円/kg | 162.27 円 | -1.38 | 13,298.50 | +93.0 |
週間の値動き振り返り
◆ 前半(6/29〜6/30):6月期末の膠着と超円安加速による高止まり
週前半は6月の期末着地に向けて膠着した動きを見せました。LME銅が13,300ドル台前半を維持する中、為替TTSは30日(火)に163.39円(前日比+63銭)と急騰。海外の頭打ち感を円安が完全に相殺し、国内電気銅相場は2,240円の据え置きベースのまま強気で6月の取引を完了させました。
◆ 中盤(7/1〜7/2):新年度スタートでの2,270円引き上げと、直後の大反落
7月の新年度・期初スタートとなる1日(水)、為替TTSがさらに前日比+34銭の**163.73円**という異常な超円安に達したことも手伝い、国内建値は一気にプラス3万円の2,270円へ引き上げられました。しかし、皮肉にも同日の現地LME銅は利益確定売りに押されて13,170.00ドル(前日比-171.0ドル)へと大暴落。翌2日(木)は計算値ベースで2,240円へと急反落したものの、J金属は改定を見送り、建値2,270円の「据え置き」を発表。市場には割高な歪みが残される形となりました。
◆ 後半(7/3):TTS 162.27円への自律急伸で2,230円へ急落、しかし足元はLME反発
週末3日(金)、前日まで蓄積した歪みが一気に爆発。為替TTSは実質的な介入ニュースが伝わらない中、投機ポジションの調整売りなどから前日比で1円38銭もの急激な円高(162.27円)へ逆回転。これにより、国内電気銅建値は前日比で4万円の大幅引き下げとなる2,230円(223万円/t)へと改定されました。一方で、同日の現地LME銅は13,298.50ドル(+96.5ドル)へと買い戻しが優勢となって週末を終えたため、最新の足元計算値ベースでは2,240円と早くも1万円の余力を残して引けています。
総括と警鐘:介入なきボラティリティの脅威と、貴金属の連動高
🚨 公式の「為替介入」が入らずとも為替は急激に動く、という厳しい現実
今回の局面で最も注視すべきは、3日(金)の「1円38銭幅の急激な円高戻し」が、日本政府・日銀による公式な資金投入(為替介入)の報道が一切ない中で発生したという点です。市場の介入に対する警戒心理による自律調整だけで、国内価格を1日で4万円も叩き落とす威力があることが証明されました。
一方で、地政学的リスクの高まりを背景に、金(Gold)はCOMEXで4,125ドル台を突破、白金・パラジウム等の貴金属やベースメタル全般が週後半に強い買い戻しを受けており、海外市場の実力(LME価格)そのものは底堅い動きを見せています。
為替の急変という「砂上の楼閣」に左右される国内建値ですが、ひとたび本物の介入の引き金が引かれれば、さらに100円以上も足元をすくわれるリスクは健在です。実務調達やスクラップ仕入れにおいては、週末の計算値の戻り(2,240円)に慢心せず、引き続き十分な安全マージンを考慮した仕入れ調整を徹底してください。