【6/11相場】戦争リスクに伴う「有事のドル高」でLME急落!電気銅計算値は2,240円へ調整、実需取引における立ち回りの重要性
更新日:2026年6月11日 | lets-copper.com
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昨晩の海外非鉄金属市場は、これまでの強気ムードを冷やす衝撃的な急落局面を迎えました。地政学的な緊迫感が高まる中、マーケットでは安全資産としての「ドル買い」が急速に進行。この有事のドル高が重石となり、ドル建てであるLME(ロンドン金属取引所)のベースメタルが一斉に急落。LME銅現物セツルメントは、前日の13,716.0ドルから一気に346ドルも値を下げ、13,370.0ドルまで押し戻されました。
しかし、日本国内市場においては為替TTSレートが161.45円とさらに円安側に張り付いており、下値を大幅に防衛。これに伴い、正確な業界計算式から弾き出される本日の国内足元電気銅計算値は**2,240円/kg(224万円/t)**となっています。
💥 LME急落を引き起こした「戦争によるドル独歩高」の正体
昨日夕方からロンドン・ニューヨーク時間にかけて発生したベースメタルの急落は、金属の需給(ファンダメンタルズ)が悪化したためではありません。中東および地政学リスクの再燃に伴う**「有事のドル高」**が原因です。戦争などの有事の際、グローバル資金は世界で最も流動性の高い「米ドル」へ逃避します。
この「ドル独歩高」の反動で、ドルで価格が表示されるLMEコモディティは実質的な高値感が強まり、急速に売りポジションが積み上がりました。一見すると大打撃に見えますが、本質的な「資源不足」や「データセンター・インフラ需要」は何一つ解決していません。
それ以上に実務者が着目すべきは、この荒波にあっても、国内為替TTS 161.45円という極端な円安のおかげで、日本の仕入れ計算値が**2,240円**に踏みとどまった事実です。長期的な高騰シナリオ(15,000ドルターゲット)が変わらない以上、実需を預かる現場は「下落を待って調達を遅らせる」のではなく、必要なときに粛々と買い進め、即日で転売完了させる「超高速回転」こそが最大の資産防衛策であり続けます。
1. 銅相場:計算値は「2,240円」。現行建値より「▲20円」の乖離
現地6月10日のLME公式発表における、銅の現物セツルメント価格(売)は前日比346ドル安の13,370.0ドル。 これに、161.45円まで進んだ東京為替TTSを掛け合わせた単純円建て換算価格は2,158,587円/tとなりました。
(LME銅: $13,370.0 × 為替TTS: ¥161.45)
+ 諸経費プレミアム: 80,000円/t (kgあたり+80円)
= 理論値:2,238,587 円/t (切り上げにより2,240,000円/t)
※LME円建て換算(215.8万円)に、海上運賃、金利、製錬所引き渡しプレミアムとして規定の**「+80,000円/t」**を厳密に合算し切り上げた、最新の実質国内電気銅計算値は**2,240円/kg**となります。
一昨日に改定された現行建値である「2,260円」と比較すると、乖離幅は**「▲20円(▲2万円/t)」**に留まっています。JX金属の公式改定基準である5万円幅には達していないため、本日の国内電気銅建値は「据え置き」となる公算が極めて高い情勢です。
2. 主要非鉄金属のLMEデータテーブル(6/10現地実績)
ロンドン現地10日発表の公式データに基づく、主要ベースメタルの現物売(セツルメント)価格、為替円建て換算、およびLME在庫の増減データ一覧です。
| 金属種 | 現物売(セツルメント) | 円換算(円/トン) | 09日時点在庫 (増減) |
|---|---|---|---|
| 銅 (Copper) | $13,370.00 | 2,158,587 円 | 369,575 t (▲3,075) |
| アルミ (Aluminum) | $3,489.00 | 563,299 円 | 324,825 t (▲2,925) |
| ニッケル (Nickel) | $17,375.00 | 2,806,001 円 | 274,710 t (▲138) |
| 亜鉛 (Zinc) | $3,486.00 | 562,815 円 | 109,575 t (▲825) |
| スズ (Tin) | $51,700.00 | 8,355,038 円 | 8,920 t (▲50) |
【アルミ:有事のドル高に押され大幅反落】
アルミセツルメント価格は前日の3,608.00ドルから一気に119ドル引き下げられ、3,489.00ドル(円換算ベース:563,299円/t)へ下落しました。為替が161円台へと円安が進んだものの、ロンドン市場全体を襲った米ドルへの急激な逃避売りに抵抗できず急反落。一方でLME在庫はさらに2,925トン減少しており、現物のタイト感は一段と深刻化しています。
【スズ:51,000ドル台へ小幅続落も下値支持】
スズの現物セツルメント価格は前日の53,060.00ドルから調整売りに押され、51,700.00ドル(円換算ベース:約835.5万円/t)へと下落しました。相場の勢いは一服したものの、LME在庫高は前営業日から50トン減少。需給の逼迫感は全く解消されていないため、現在の急落は短期的な過熱調整局面と解釈されます。
【ニッケル:17,300ドル台へ一時的な下振れ】
ニッケル現物セツルメントは前営業日から下落して17,375.00ドル(円換算ベース:2,806,001円/t)。有事のコモディティ買い手控えの影響をストレートに受けた形ですが、在庫は138トンの引き出し(マイナス)となっており、底堅い水準はキープされています。
3. 実務担当者の在庫戦略:有事の動揺時こそ「スピード転売」
本日の国内電気銅建値は2,260円で「据え置き」が極めて濃厚な情勢ですが、実質計算値(2,240円)とのマイナス20円の乖離を抱えていることを決して忘れてはいけません。
地政学的な「戦争リスク」を契機としたLMEの急落は、投機マネーの瞬間的な逆回転であり、いつ同じような規模で買い戻しが入るかも全く不透明です。また、為替の161.45円は政府介入による暴落の危険性をはらんだ臨界点にあります。
このため、週後半のヤード運営および実務仕入れにおいては、「買取った銅スクラップや雑線は、絶対にヤードへ滞留させず、その日のうちに問屋やメーカーへ出荷(ポジションをスクエア化)し、目先の利益を確実に確保する」。このリスクオフの安全運用を徹底してください。
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